プレイ・タウン

「劇/芝居」を意味するとともに、「遊ぶ」「演じる」というふたつの意味を持つ動詞の"Play"。

「プレイ・タウン」は、合宿参加者同士の交流はもちろん、"Play"を通じて西和賀町と交流することをねらいとする夏の演劇合宿です。


合宿期間:2018年7月30日(月)〜8月5日(日) 8月19日(日)〜8月25日(土)

参加者募集は締め切らせていただきました。

お問い合わせありがとうございました! 

 

 

 

 【合宿テーマ】

わたしはおぼえてないかもしれない

 

 記憶と記録の境界が失われつつある。本来記録によって確かめられるべき情報は記憶の彼方でうやむやにされ、その一方、これまで記憶のもとで扱われてきた情報は端末を通じて記録として蓄積・収集され、商品として取引すらされるようになった。処理しなくてはならない情報が加速度的に増加していく中、私たちは記録として情報化すべきものと、固有の記憶によって守るべきものの取捨選択を常に迫られている。 

 しかし私たちはその選択を、どこまで的確に判断していくことができるだろうか。いつの日か、わたしは大切なこともおぼえていないかもしれない。そのくせ取るに足らないようなことはおぼえていて、そのとき私たちは、それを私たちの〈歴史 ≒ 物語〉と呼ぶことになるのかもしれない。

 

 

【今回の合宿企画】

「西和賀もくされ自然主義文学」について

 

 地域に眠る古い写真や聞き書きから、西和賀で暮らしてきた人々の目線にもとづく物語を紡ぐ、この夏の演劇企画です。〈もくされ〉は西和賀の言葉で「用立たず」「できそこない」といった意味であり、そのひと以外にとっては(あるいはそのひと自身にとっても)価値を持たないような他愛のない話を素材として制作にあたります。

 今回は(一財)地域創造の「リージョナルシアター事業」を活用し、劇作家ごまのはえ氏らの指導・協力のもと、町民から公募した古写真や取材から短い戯曲を書き起こし、それを台本として町民とともにラジオドラマを制作に取り組みます。制作した音源は、町内告知放送システムをジャックして町内全世帯に放送発表する予定です。 

 

 

 

(1)応募方法(参加申込にあたっての相談や、企画内容への質問だけでもOKです)

このウェブサイトのメールフォームより、「ギンガクの夏2018参加申し込み」という件名で、

①氏名 ②電話番号 ③メールアドレス ④現住所 ⑤所属(学生であれば大学名)

を明記したメールをご送信ください。

受信を確認次第、スタッフからメールまたは電話にてご連絡いたします。

 

 

(2)募集締切

2018年6月30日(土) ※定員に達した時点で締め切ります。

 

 

(3)滞在期間・泊数

[A日程]7月30日(月)~8月05日(日)  6泊7日

[B日程]8月19日(日)~8月25日(土)  6泊7日

 

 

(4)活動内容

[合宿前]

他の参加者や運営スタッフと、グループ通話による準備ミーティングを行います。

事務連絡の他、制作する作品や合宿中の活動について検討を重ねます。

[合宿中]

①「西和賀もくされ自然主義文学」の予定プログラム(劇作WS、取材、ラジオドラマ制作等)への参加

②「わたしはおぼえてないかもしれない」をテーマとした参加者発案によるプロジェクトの実践

 

 

(5)合宿参加費

1泊3食付3,000円 × 泊数(全日参加の場合 3,000円 × 12泊 = 36,000円)

※往復交通費は自費(スタッフ参加者には交通費補助支給)

 

 

(6)定員数

6名程度

うち記録スタッフ1名(写真・映像撮影)、音響効果スタッフ1名(ラジオドラマの録音・編集)

 

 

(7)参加条件

・原則的にA日程、B日程ともに参加できること(応相談)

・メール・Skype・LINE等で連絡可能であり、音信不通にならないこと

・西和賀町と自宅を自力で往復できること

・原則的に若者(30歳以下)であること

・作劇に興味があること(演劇経験不問)

・作品の完成まで粘り強く取り組めること

・他者とのコミュニケーションを楽しめること

 

 

(8)参加アーティスト

ごまのはえ(ニットキャップシアター代表/劇作家・演出家・俳優)

高原綾子(ニットキャップシアター所属/俳優)

田辺剛(演劇ユニット下鴨車窓主宰/劇作家・演出家)※A日程のみ

池川貴清(ニットキャップシアター所属/俳優)※B日程のみ


プレイ・タウン2016  合宿期間:2016年8月08日(月)〜22日(月)

 

上演作品 『はれのひ』 

 

役者の熱量が舞台上ではじけるような上演に!

役者による役者のための、ギンガク初「演出」不在の合宿を開催しました!

 


プレイ・タウン2015  2015年8月20日(木)〜31日(月)

 

Theatre is not enough. 演劇をつくるために必要なのは、演劇だけじゃないはずだ。

 

劇場がある。戯曲がある。劇団もある。

でも、きっとそれだけじゃ“何か”が足りない。

 

65年以上の活動歴を誇る町内の劇団「ぶどう座」の代表作『うたよみざる』。かつての西和賀地域を彷彿とさせる山奥の村を舞台に、人間社会にひそむ格差の構造を鋭くユーモラスに描き出した民話劇の傑作でもあります。プレイ・タウン2015では地元出身の大学生や京都から参加した高校演劇部員のほか、盛岡・花巻・新潟・横浜・大阪・岡山といった広いエリアから集まった参加者により、この『うたよみざる』を上演しました。また、舞台美術は美術企画「湯田温泉峡風呂美術大学」がデザイン・制作を担当しました。

 

『うたよみざる』あらすじ

 

むかしむかし、山には「山一」と呼ばれる、何をさせても山一番の猿がいた。

里の人間たちはそんな山一を恐れながらも、心のどこかで会ってみたいとも思っていた。

 

その日、里で3人の孫娘と暮らす爺様は、ひとりで畑の草取りにいそしんでいた。

際限のない作業にうんざりした爺様は「山一が草取りをしてくれたら、孫娘のうちひとりを嫁にやってもいいのになあ」とぼやく。

すると本当に山一が現れ、あっという間に草取りを終えると、「3日後に嫁をもらいに来る」と約束を突き付けて去ってしまう。

 

孫娘を嫁にやるわけにもいかないが、約束を反故にすれば報復される。

困った爺様は孫娘に相談するも断られ、村人たちからも責められてしまう。

しかし、村をおさめる長老は「爺様のやったことは素晴らしい」と言う。

「里は人手が不足しているのだから、猿を手下にして働かせる。それによって生産を向上させる。人間の作法を仕込んでやれば、猿たちの暮らしも向上する」というのだ。

とはいえ、誰かが猿の嫁にならなければ話は進まない。

再び暗礁に乗り上げそうになったところへ、頭の弱い3人目の孫娘「よてこ」が手を挙げる。

爺様は反対するものの対案はなく、里の寄合はよてこを山へ送ることにする。

さらに長老は、猿を人間らしくするために「歌(和歌)」を猿に教えることをよてこに命じる。

 

かくて、よてこは山一の嫁となり、猿村で暮らすこととなるのだが……。


プレイ・タウン2014  2014年8月10日(日)〜24日(日)

 

演劇できれば満足か。

全国から集まる参加者たちと演劇をつくる、演劇のような、演劇だけじゃない夏の西和賀の2週間。

 

前年度に好評を博した『鬼剣舞甲子園二〇二八』を改訂した『鬼剣舞甲子園二〇四〇』の制作・上演のほか、「せんだい演劇工房10-BOX」の視察訪問や町内成人式での予告上演も行い、滞在した左草地区の盆踊りにも参加ました。成果発表上演では湯本鬼剣舞保存会にも劇中に出演してもらい、西和賀町との関わりがいっそう広がった合宿となりました。

 


プレイ・タウン2013  2013年8月5日(月)〜11日(日)

 

東北のちいさな温泉の町で、演劇と出会いをあそぶ一週間。

 

前年度の夏季合宿参加者が2ヶ月前から現地滞在して台本を執筆。その名も『鬼剣舞甲子園二〇二八』。

東北~関西からの合宿参加者と、子どもたちを含む町内参加者でひとつの舞台をつくりました。

肩の力の抜けた青春コメディーでありながら郷土芸能の継承問題から町の過疎化を突いた本作は好評を博し、結果として次年度の合宿でも改訂再演されることとなりました。

 


プレイ・タウン2012  2012年8月6日(月)~12日(日)

 

こんな町があるなんて知らなかった。

こんな人がいるなんて知らなかった。

 

初めての町で、初めて会う人と、同じ旅館に泊まりながら、一週間の共同作業。

初対面同士で組んだ4つのチームがそれぞれひとつの上演作品をつくり、成果発表をおこない、お互いに観る。

それが「プレイ・タウン2012」でした。

参加したのは東北・関東・関西の学生・若者、約25名。

各々の専門分野は演劇にとどまらず、ダンス・美術・民俗学・工芸・オルタナティブスペース運営などなど、実に様々な分野の人たちが西和賀に集まり、未知との出会いを体験しました。